ERAアメリカのフェミニズムの歴史を理解できるドラマと映画

おすすめドラマ

やっと日本でも女性差別発言がJOCのトップを形の上とは言え、
交代させるだけの社会になりました。

一方で様々な場面で、
特にネット界隈ではフェミニズムへの賛否、
似た者同士の軋轢など気持ちが萎える現実があります。

そんな時に難しい局面や相手をどうするか、
再度勇気を奮い立たせてくれる2作品です。

女性の分断はどうやって起こる?Cブランシェット主演『ミセス・アメリカ』

ミセス・アメリカ~時代に挑んだ女たち~ | ドラマ | WOWOWオンライン
フェミニズムが大きく展開した1970年代アメリカ。男女平等憲法修正条項をめぐる賛成派・反対派の激しい戦いを、C・ブランシェットらの豪華競演で描いたミニシリーズ。


偶然、第7話の途中を観たら目が離せなくなり、涙するほど感動しました。

2月に放映されていましたが、2021年3月1日(月)~3日(水)の再放送を是非。

アメリカのフェミニズム史に残る闘いを描いた
2020年のドラマ『Mrs. America(ミセス・アメリカ~時代に挑んだ女たち~)』は、
1970年代を舞台にした作品です。

非常に高い評価を受け、2020年エミー賞では10部門にノミネートされました。

 物語はアメリカの合衆国憲法に男女平等を明記する
ERA(Equal Rights Amendment/男女平等憲法修正条項)について
賛成派と反対派の闘いを描いています。

1972年、ERAは連邦議会で可決されました。

しかし、成立に必要な38州の批准をめぐり、両者の対立は激しさを増していき……。

各話ごとに中心的に描かれる人物が替わり、
それぞれの立場や背景が深く掘り下げられているので
事実の理解を深めることができます。

最後の第9話はストーリーの衝撃とともに、最後のナレーションも衝撃的です。

主演はケイト・ブランシェット、キャストは豪華すぎるほどです。

ケイトといえば、来日時に応じたテレビのインタビューで
母親業と仕事の両立は大変かと聞かれ、
父親であればその質問はされないと返答したほど、
芯を持ったフェミニストです。

 一見、考え方が異なるような主人公を見事に演じきり、
エミー賞でもリミテッド・シリーズ部門主演女優賞にノミネートされました。

各話のあらすじと感想 放送日時2021年3月1日(月)~

#1 フィリス 3/1(月)午後4:00

イリノイ州に住むフィリス・シュラフリーは、弁護士の夫に支えられ、共和党からの下院選当選を目指す保守活動家。ある時、クレーン下院議員に国防関連の知識を買われ、共和党の有力者に会うためワシントンを訪れるが、そこで男女平等憲法修正条項(ERA)の議会通過を求める女性運動を目の当たりにする。“家庭で子を育てることが女性の幸せ”という信条を持つフィリスは、男女平等を阻止するため反ERAの活動を始めるが……。

<感想>

フィリスの信条は果たしてそうなのか、
活動は自分の力を表す手段だったのではないかと感じました。
なぜなら、意気揚々と出かけたワシントンでの扱いがそれは惨いもので、
その屈辱がその後の彼女の原点、原動力になったのだと思えました

#2 グロリア 3/1(月)午後5:00

フィリスにアンから電話があり、オクラホマ州でERAの批准が否決されたという。ほかの州の仲間にもニュースレター作戦を広げたいと、フィリスが苦労して作った名簿を欲しがるアンにフィリスはいらだつ。一方グロリアは、女性のための雑誌「ミズ」の創刊パーティーで、支援してきた民主党のジョージ・マクガヴァンが中絶を禁じる法律の撤廃に後ろ向きだと知る。中絶合法化を強く求めるグロリアは妥協を勧めるベラと対立し……。

<感想>

活動の中心が電話とニュースレターの郵送という時代の事実を突き付けられる思いがします。
指一本で主張を広げられる私たちは…。
今でも大統領選挙を左右するアメリカの「中絶問題」の歴史を知ることもできました。

#3 シャーリー 3/1(月)午後5:55

フィリスは主婦仲間たちと、「ストップERA」と名付けた活動を全国に広げていく。賛同した主婦の中には差別的な者もいるが、フィリスは彼女たちに役割を与えて場を収めていく。一方、民主党大会が目前のシャーリーは、黒人幹部会からマクガヴァンに代議員を譲るよう勧められた上、長く応援してきてくれたベラには出馬は単なる象徴と言われショックを受ける。それでも諦めず党大会で演説するが……。

<感想>

シャーリーはアメリカ史上初の黒人女性下院議員です。
フィリスもシャーリーも共に手を携えているはずの仲間うちの困難に立ち向かっています

フィリスの鮮やかな手腕とシャーリーの不屈さともに感動的でした。

#4 ベティ 3/1(月)よる6:45

<あらすじと感想>

先駆者たちのその中にも、開拓者・ファーストペンギンがいます。
ひと時代前に女性の自由を謳ったベストセラーを執筆した象徴的存在だったベティ。
彼女の自負と屈辱が人物像とともに描かれています。

#5 フィリスとフレッドとブレンダとマーク 3/2(火)午後3:35

ERAを批准した州は33州にとどまっていた。批准も本の執筆も進まない状況に焦るグロリアは、反ERA派の強敵フィリスの力をそぐには法的な根拠をもとに反論すればよいと気付きハーバード卒の弁護士であるブレンダに相談する。ブレンダに討論を申し込まれたフィリスは戸惑うが、夫フレッドの助言もあり、参加する代わりに双方が夫婦で参加する条件を付ける。しかし、受けて立つブレンダと夫マークには別の問題が浮上し……。

<感想>

この「別の問題」が今でもラディカルに感じられますが、
価値観の一致が原点のこの夫婦は…。
一方でフィリス夫婦の間は上手に立ち回って来た彼女の矛盾
(というか本心だと私は思うのですが)が露呈します。

#6 ジル  3/2(火)午後4:35

大統領がフォードに替わり、ジルは女性の権利向上のための委員会の委員長に就任。ERAの批准を進めるため、民主党のベラと組んで超党的に影響力のある重鎮議員に協力を求めにいく。フィリスは、メディア露出の多いジルの意見が共和党の女性の総意として認識されてしまうと焦る。次の大統領選挙の党大会までに反ERAの組織を拡大すべく、フィリスが新たなフォーラムを設立する中、ジルの夫が副大統領候補となり……。

<感想>

最近日本でもよくお目にかかるパワーエリート夫婦
直面する困難に胸が痛みました。
また、アメリカの民主党と共和党も時代とともに
変遷していく様も興味深いものです。

#7 ベラ 3/2(火)午後5:30

1977年、政権は共和党から民主党に移り、大統領はカーターに。ベラは上院選に敗れて落ち込んでいた。そこへ前政権時代の女性のための委員会が復活、ベラが通した予算で全米女性会議を開くことになり、大統領補佐官のミッジはベラにトップを任せたいと依頼する。快諾したベラは、レズビアンや中絶の権利、ERAの批准促進などの実現に向け、希望に満ちて準備していく。それを知ったフィリスは会議に対抗する作戦を立て……。

<感想>

この途中から私は見始め、釘付けになった理由は対フィリスではありませんでした。
政治をよく知るベラが女性委員会の中の
意見対立に悩ませられる様に見入りました。
なのに、やがて恐ろしいような結末が。

(9話まで観たあと、オンデマンドで1話から一気見したことは言うまでもありません。

ただ、今回の放送はWOWOWの番組案内誌によると
オンデマンドのマークが付いていないのでお見逃しなく)

#8 ヒューストン  3/3(水)午後3:45

ヒューストンで、全米女性会議が開かれる。会議前の打ち合わせで、事前に話す内容をすべて書いてもらっていたアリスは、批准期限延長反対の演説役を買って出て半ば強引に獲得するも、会議直前のリポーターによるインタビューで失態を演じてしまう。演説には代役のアンが立ち、動揺したアリスは会議に出ずじまい。やけになったアリスは、会場で催されるさまざまなフェミニストの集会に入り込んでしまうが……。

<感想>

この回はアリスが自分や自分たちの反ERAと
ERA推進派のありのままの姿に触れ、混乱していく様がリアルでした。
でも、その後のアリスは…

#9 レーガン 3/3(水)午後4:45

1979年、ERAの成立にはいまだ3州が不足。この年がもともとの批准期限だったことから、フィリスは反ERA運動のメンバーや共和党員らを招いてERA終幕のパーティーを開く。そんな中、「早期の支援に恩を返す」というレーガン陣営の言葉に反応したフィリスは、レーガンへの支持を約束する。一方、ERA推進派の女性たちは大統領から会談に招集されるが、15分という短すぎる時間に納得せずキャンセルし……。

<感想>

成功と裏切りは誰がどこで…

ネタバレを避けると何も書けないのですが、
40年前⁉の事実であり、
今に繋がっていることを感慨深く受け止めました。

黒人女性の1960年代アメリカでの立場はNASAでさえ

ドリーム(2016年製作の映画)原題:Hidden Figures

2017年秋の日本公開で鑑賞しました。

私はこれを観た日に「止めなきゃ止めなきゃ」と思いつつ
半年ハマっていたスマホゲームを削除しました。

扉は自分の努力で開けるものという原点を
思い出させてくれた貴重な映画となりました。

<あらすじ>

1960年代初頭、旧ソ連との熾烈な宇宙開発競争での劣勢を覆すため、
「宇宙飛行士ジョン・グレンを宇宙空間に送り出し無事に帰還させる」
という合衆国の威信をかけた一大事業に尽力し、
NASAの頭脳として最も重要な役割を担った3人の女性、
キャサリン・ジョンソン(タラジ・P・ヘンソン)、
ドロシー・ヴォ―ン(オクタヴィア・スペンサー)、
メアリー・ジャクソン(ジャネール・モネイ)。
大きな功績を残しながらも近年までほとんど語られなかった
驚くべきこの3人の先駆者たちの物語は、
性別や人種、世代を超え、すべての世代を大きな夢へと導いた感動の実話です。

映画『ドリーム』の感想・レビュー[48142件] | Filmarks
レビュー数:48142件 / 平均スコア:★★★★4.1点

「あぁもう完璧。」から始まる

LUCAさんの感想(2021/02/27 12:53)・評価 4.9 に全面同意

他の方々の感想も素晴らしい。

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