反抗期や思春期はどうしたらいい? 夫婦が試される時がやって来た

子育て

物理的な子育ては楽になるときが段階的にやってきます。

1歳半、3歳、年長さんと節目があり、最後は

ちょうど、最近の小学校4年生の行事として定着しつつある二分の一成人式のころでしょうか。

この式は授業参観のときに行われ、親への感謝状などが読み上げられます。

第一子の親御さんたちが感激とともに手放しで喜ばれるのに対して、
上に中高生の子をもつ親たちは「つかの間の喜び」であることを知っています。

子どもの思春期は自分の思春期を思い起こしてみることが第一歩

岡江久美子さんはお嬢さんが中学生の頃に
「私の人生の中でパパとママのことは五%も占めていないから」
言われたそうです。

まだ中学生ですから、仕事を持っている母にとっても
衣食住の面倒からすべてを考えれば少なくとも、
50%以上は子どものことが占めているでしょうからショックです。

でも、自分が中高生だった頃をよく思い出してみて下さい。

友だち、部活動、好きな人のこと、アイドル、音楽、勉強のこと…
どのくらい親のことを考えていたでしょう。

さらに今はSNSや推し活もツールが多い分、忙しいことでしょう。

「一人で大きくなったような顔をして」
とよく言われますが本当に子どもというものはそういう顔をし、
一人で生きているつもりなのです。

そうではないとわかるのは、ひとり暮らしを始めてからでしょう。

子どもが思春期の親の苦労は耐え難く、夫婦で分かち合い支え合うしかない

思春期に入ると親のイライラは頂点に達します。

精神的な子育てで、真の苦労が始まるのです。

ああ言えばこう言うにイライラしない、相手の土俵に乗らないのが唯一のコツ

親もまだ若かったので第一子である娘の思春期は本当に大変でした。

ちょっとしたふくれっつらや目付きに腹がたち、
体力や敏捷性で負けた小学校5年生までは取っ組み合いの喧嘩もしていました。

中高時代の娘とのバトルは
当時幼児から小学校低学年だった息子のトラウマになっているほどです。

いまは別人のように「大人になった」のですが
私の日記を読み返すと、彼女が一人暮らしを始める22歳までは、
娘への腹立ちの記述にあふれていました。

息子の罵詈雑言は右から左へと聞き流し、笑いのタネにする境地に

このときの経験から、十歳ちがいの息子には自ずと接し方は変わりました。

反抗期に入った息子の罵詈雑言は右から左へと聞き流し、
笑いのタネにできたのです。

いまでは鋭いツッコミにボケという、漫才の境地に達しました。

娘の反抗期中、息子は反抗期以前の可愛い盛りであり、
息子が反抗期に入ったときには娘は大人に変身していました。

娘の大変身を経験した後ですから
どんな生意気を言っても「そう言いたい時期なのね」
「成長へのバネね」「ホルモンのせいで機嫌が悪いのね」
と、いっこうに腹はたちませんでした。

息子が中二のとき、母の日にくれた手紙は私の宝物です。

本当は感謝しているのにそんな言葉は一言も発せずに、
ふだんは反抗的なことばかり言っているので、
ふとママがいなくなったらどうしようと思う時があるからと、書いてくれたものでした。

(昨年、結婚式での手紙は第二弾とも言えるもので、
ディスりながらも「無尽蔵の愛情を注いでくれてありがとう」なんて言葉に😭)


毎日顔を合わせ、身の回りの世話をしている子どもの態度に、
なかなか寛容になれないのは娘の経験からよくわかります。

でも、反抗期は一時的なもので、その子の本質ではないことを忘れずに、
同じ土俵に乗らない度量を身につけたいものです。

急な父親ヅラはマイナスでしかないと、肝に銘じて夫婦ともに子育てを


思春期になって、母親だけでは手に負えなくなって
妻からのSOSもあってとはいえ、急な父親ヅラはマイナスでしかありません。

私は、思春期の子育てを乗り越えたときに、本当の親になるのだと思っています。

親としてというよりも、人間としての力量が問われるといっていいでしょう。

ここで問題になるのが父親の態度です。

この困難な子育て期に、
妻が夫に子どもについての怒り、悩み、愚痴などを訴えたとき、
決まり文句のように「子育ては母親の責任だろう」とか
「君に任せているのだから(俺は知らない)」などと言ってしまう夫は
未だに少なくないのではないでしょうか。

それでは夫としても父親としても失格で、妻は本当に辛い思いをします。

「イクメン」とは単に育児をすることではなく、
妻とともにわが子の成長を見つめ、
この思春期に父親として向き合うことまで含まれているのです。

10年ほど前に「17年前の育休効果いまも」という見出しで、
朝日新聞のイクメン特集に次の記事が掲載されました。

「イクメン」が増えつつある昨今ですが、
乳幼児・児童のときの関わりが思春期以降にも有意義だという内容です。

夫は、育児経験から
「無理に父親らしくしようと肩ひじ張らず、子どもと向き合え」、
息子は「父が近くにいるとほっとする」と応えています。

冷静に考えれば自分も通った道なのですが、
これが親の立場になって初めてその生意気さに気付かされたりします。

本当に「一人で大きくなったような顔」をします。

もちろん日常的に家族より友だちが大事になり、
家庭のルールや和を破り、我がもの顔で好き勝手に振る舞います。

当然、親として叱ると、反抗的な目付きやふくれっつらが帰ってきます。

毎日毎日、大小様々な問題があり、本当に憎らしい時期です。

ともに子育てをし、苦労も喜びも分かち合ってこなければ、
子どもの問題行動に夫婦で向き合うことはできず、
「君にまかせているのだから」という逃げの言葉につながります。

また子どもの側からしても、
普段家にいないオヤジに突然父親ぶられても、素直になれるはずがありません。

子どもの思春期は夫婦にとっての試金石であり、家族の真価が問われるときなのです。

ここで真剣に向き合わないと、行動がバラバラになるとともに心もバラバラになってしまいます。

夫婦で子どもに抜き合わないと事態は好転しない


さて、反抗的なわが子にどう向き合うかですが、
子育ては自分が育てられたようにしか出来ないと言われることがあります。

自分には他のモデルがないので当然なのですが、
夫にも自分自身の育てられ方がありますから、
子どもとの接し方が夫婦喧嘩のタネになることはしばしばあります。

しかも、子どもは我が子といえども別人格で、
自分に似ている場合もあれば夫に似ていることもあり、
まったく違うこともあるものです。

そうした状況のなかで、両親として、親子として
子どもが大人になるという新たな段階の親子関係を
作っていくことは困難を伴います。

ぶつかり合いながらも、お互いに逃げ出さないことが大切です。

子どもが育っていく過程では、多様な大人との関わりが欠かせません。

しかしいうまでもなく、親からの影響は絶大です。

ところが、親も最初から親というわけではないのです。

子育てに関して造詣の深いある精神科医が自分の経験から
四人目の子育てでやっと親のプロになれた」と述べていました。

つまり、ほとんどの親はアマチュアであり
親になる過程の第一歩から、試行錯誤しながら子育てしていくものなのです。

ですから、うまくいかなくてあたりまえ、深刻に悩む必要はないのです。

親の価値観を示しても、
思春期の子はわかりました、ごめんなさいなどと殊勝なことは決して言いません。

価値観の刃をチャリンと交わすだけで良いのです。

きちんと判らせなくては、などと力まないことが、
同じ土俵に乗らないコツとでもいいましょうか。

それだけで良いけれども、チャリンと交わし合っておくことこそが
とても大切な教育なのです。

その時は、まったく心に響いてないように見えるというか、
そうした素振りを見せるのですが、大丈夫です。

ちゃんと理解し、心に留めていたことが20歳、
子どもによっては25歳を過ぎてからわかります

ただし、親としての能力不足と悩む必要はないけれど、
解決・改善しなければならない状況というのはあります。

そのとき共に心を痛め、相談し合うべき仲間こそ
子どもにとっての両親、つまり夫婦なのです。

よく、夫とは性格や考えが違うという人がいますが
違っているからこそ力を合わせる価値があるのではないでしょうか。

 

試行錯誤するなかには当然ブレることもありますが、
二人で話しあ合いつつ軌道修正すれば、振れ幅も少なくてすむのではないでしょうか。

このとき、夫と妻は親として共闘はしますが、
いさめる側とフォローする側など、役割分担はあったほうが良いでしょう。

私たちは第一子である娘への関わりについては
相談にとどまらず喧嘩もしました。

けっきょく娘への対応だけは辛うじて統一感を保ったものの、
お互いに内心では納得できないまま、という危うい時期もありました。

時が経ってからでないとわからないこともたくさんあり、
あのような対処で良かったのだとかつての自分を褒めてみたり、
相手の先見の明に感心したり、
結果オーライにまることも少なくありません。

さなぎが蝶になるように突然大人になる

そして、「苦労の甲斐があったー」というときが突然やってきます。

まさに、さなぎが蝶になるように突然大人になるのです。

「パパとママみたいにはなりたくない!」と激しく言っていた娘ですが、
今では口を開けば「パパとママが理想の夫婦で尊敬~」とのたまいます。

私たちは何も変わっていないのに不思議といえば不思議ですが、
あれも親離れのための通過点だったのでしょう。

子どもの思春期は、耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ覚悟をもって、
夫婦で慰め合い励まし合ってがんばりましょう。

だから、そんな嵐のような思春期前の子育ては
物理的には忙しくてとても大変ですが、
イライラして可愛いいときを見逃さないよう、堪能しておきましょう

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