菅政権が無策なのは官房長時代から官僚を強権支配したツケ

政治経済

感染拡大防止、医療体制の充実、ワクチン接種、休業補償、効果薄い緊急事態宣言と
2020年春から一年間何をしていたのかと驚くほど何もしてこなかった菅政権。

官僚が動かなければ何も出来ないのに、権力を振りかざし、
忖度させてきた8年間、因果応報としか思えません。

公僕たる誇りさえも奪われ続けた官僚が動かないのも菅氏の自業自得かなと。

21世紀の進歩と落合陽一氏と官僚について

マスコミは官僚バッシングが好きなようで、私は普段から苦々しく思っていました。

夢見た21世紀(20代までは42歳の自分など想像さえしなかったけれど)は
社会科学的には腹が立ったり暗くなることばかりでした。

息子や孫の将来を案じていると、息子自身は将来が楽しみでしょうがないというのです。

大阪万博に小学校5年で行ったときから「人類の進歩と調和」という言葉が好きで
支えとして来ましたが、技術の進歩により
「人間の後退と分断」ばかりが目に入ってしまっていました。

そんな時に関心をもち、傾倒したのが
落合陽一氏の技術の進歩でおおかたの社会問題は解決できるという考えでした。


それでも見かけがとっつきにくかった時に、コメンテーターをしているニュース23で
「頭のいい官僚の人たちがちゃんと考えてくれているでしょう」という趣旨のことを
ポロリと言ったことで私は一気にファンになりました。

民間給与の実態調査により決まる公務員給与

現在マスコミでそれなりの地位にいるアラフィフの方々は
バブル入社組で、公務員では高給が臨めないことを知っていたはずです。

そして、公務員給与の仕組みである人事院勧告の知識が少しでもあれば、
前年の民間給与の実態調査により決まるのでコロナ禍の現状が反映されていないことは
仕組み上当然なのです。(反映させる努力を多少されたようですが)

にもかかわらず、ボーナスの引き下げが0.05月分だったと非難を込めて報道しました。

コロナ禍による様々な手続きや制度変更に追われ、
役所の窓口は非正規雇用の方も多いなかで理不尽なめに遭っていないかと心配しています。

緊急施策を考えるのも実行するのも公務員

医者や学校の先生もどんな職業にもピンキリがあるのと同じように
官僚の世界もいろいろな人がいるでしょう。

それなのに「官僚」を一括りに悪者扱いし過ぎていると思うのは私だけでしょうか。

もちろん、過去の官官接待の破廉恥さやセクハラ次官などの
個々の事例は徹底的に批判・検証すべきですが。

官僚になるには東大文系最難関の法学部出身者などが多く受ける、
国家公務員総合職試験の一割にも満たない合格率を突破しなければなりません。

努力無しに東大生にはなれないことは息子の友人たちで目の当たりにしました。

ましてやキャリア官僚にはなれないのです。

技術系上級職(当時)を勤め上げた友人は
国家公務員試験のために10㌔痩せたと言っていました。

中高で机を並べ、同じ部活で過ごした彼女の勤勉さは
とても真似の出来るものではありませんでした。

「全体の奉仕者」ではあるけれど、
もともと上昇志向が強いゆえに官僚になれた人たちが出世をしたいのは当然でしょう。

そのために省益第一になるのはサントリーとキリンが譲り合えないのと同じに見えます。

公的機関が生産性を上げる努力よりも予算というパイの奪い合いになるのは
予算型組織の宿命だと言ったのは「経営の父」ドラッカーです。
(だからこそ納税者の視点に立つためにもワークライフバランスが必要だと拙著にも書きました)

優秀な努力家が行政から居なくなった結果

東大法学部や官僚志望者が減り、さらには若き官僚の退職が増えています。

政権と官僚の関係の変化を見れば当然だと思います。

しかし、優秀な努力家が行政から居なくなることが
良いことなのか悪いことなのかどちらなのかと思っていたところでした。

8年前の菅官房長官時代から具申して左遷という事態が横行しています。

ついには国会で偽証さえ、させられるようになりました。

本当にやって来た国難にあたって、
縦割り行政の省益や既得権益などボトルネックは数々あるでしょうが
あまりにも何も進展しないのはなぜでしょうか。

公僕としての誇りさえズタズタにした人の
政権のためには率先して動く気にはならないのではと思います。

信頼できない、されていない総理大臣の元では
官僚として志も失せてしまっているのでしょう。

安倍氏辞任表明後に官邸を訪れた岸田文雄氏の
ぶら下がり取材時の顔が「非開成」の私でも忘れられません。

最高権力の座に着きさえすれば、お坊ちゃま出身総理たち同様に
たたき上げ総理も、開成人脈など怖いとは思わなかったのでしょうか。

政府の無策は仕方ないのことと諦めるか、それでも…

NewsPicksに登場する若き社会的起業家の方々は将来に希望を与えてくれます。

その方たちも様々な壁にぶち当たりながら奮闘されていることと推察します。

同時に現職の平井デジタル改革担当大臣である平井卓也氏や
小泉進次郎環境大臣の奮闘ぶりも知ることが出来ます。

国や地方で公務員として、また会社員として古い体質と闘って
少しでもより良い組織へと奮闘している方々もいると思います。

また、野党の中でも頑張っている人はいます。

批判ばかりする様が見るに堪えないという方々も
「国会パブリックビューイング」で、切り取られた部分ではなく
国会論戦を一度でも全体通してご覧になれば視方が変わると思います。


どこに属しているかだけで人を判断することは止めることにしました。

左派に身を置いていたころ極悪人のように映っていた
田中角栄、中曾根康弘、後藤田正春各氏を見直す日が来るとは思いもしませんでした。

もっとも現状がそれほど酷くなっていることの証左でもありますが。

政治をわかりやすく伝えている池上彰氏の番組のまとめとして
「待機児童解消には選挙に行くこと」にえーっと(演出であってほしい、きっとそう)
一斉に声を上げた女性タレントさんたちには画面のこちらでも「えーっ!」と叫んでしまいました。

女性タレントにそんな演出をすることが無くなるように願うばかりです。


逆に政治に関心があればあれ程、
ともすると「どっちもどっち」感に陥りがちですが、
大きな改革に臨む政治家も
具体的に自分たちの手で解決目指す社会起業家も
それぞれに困難、壁に立ち向かっている方々はみんな応援したいと思います。

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