おしん再放送を見る方法とあらすじを2019年に視た感想とともに

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2021年4月25日には「橋田壽賀子さんをしのんで~『おしん』を振り返る~」
(午後1時50分~同6時)が放送されます。
1983年の放送当時に少し、2019年の連続テレビ小説100作放送を記念して全297話が
BSプレミアムで再び放送されたのを視て感動した私としてはぜひ
15分放送の279回分をお勧めします。
あらすじとともに初回放送時の時代の雰囲気をご紹介します。

「おしん」の再放送をみる方法はNHKオンデマンドとU-NEXT

2021年4月25日には「橋田壽賀子さんをしのんで~『おしん』を振り返る~」
(午後1時50分~同6時)が放送されます。

橋田さんが手掛けたNHK連続テレビ小説「おしん」(83年)総集編を再編集し
同ドラマの世界を振り返りつつ、橋田さんにゆかりのある俳優たちをまねき
橋田作品の魅力を語る番組です。

「おしん」は15分放送の279回、46.5週、約70時間の作品です。

NHKオンデマンド(まるごと見放題パック月額980円)で観ることができます。

これは2週間の見逃しから過去の名作番組約7000本が見放題です。

下記では、オンデマンドの申し込みや一話ごとのあらすじが約200字にまとめられています。

おしん
昭和58年(1983)に放送した、脚本家・橋田壽賀子が手がけた連続テレビ小説。山形の寒村に生まれたヒロインが、明治から昭和まで80余年の激動の時代を懸命に生きる生涯を描いた人間ドラマです。けなげな少女期を小林綾子、青春期から中年期を田中裕子...

下記のU-NEXT からもご覧いただけます。

「おしん」のあらすじとともに魅力をご紹介

私が2019年の再放送を視て釘付けになったのはリアリティーの凄まじさでした。

昨今のドラマはファンタジーとして楽しく、また示唆に富んでいたり、凝っていたりと
楽しくみています。しかし、
「おしん」の圧倒的リアリティーの前では「軽薄短小」に見えてしまします。


岡本由紀子チーフ・プロデューサー(当時)が
「厳しい人間のいきざまをリアルに描く“新生テレビ小説”です」
と語っています。

ものづくりや文化の面で80年代は重厚長大から
軽薄短小へと移り変わっていった時代でした。

同時に「ジャパン・アズ・ナンバーワン」(1979年刊行)として
バブル経済へと駆け上っていきました。

明治、大正、昭和を生き抜いた女性の一代記を強力に訴えていく番組の視聴率は、
1年間の平均52.6%、最高62.9%でした。

少女期 ~おしんは貧しさとたたかい、我慢に辛抱を重ねる

第1週(4月4日)~第6週(5月14日)放送

明治34年(1901年)、山形県最上川上流の小作農の父・作造(伊東四朗)、母・ふじ(泉ピン子)の三女として生まれたおしん(小林綾子)は、家が貧しく9人の大家族の食事にも事欠く中、7歳の春、米1俵と引き換えに材木問屋へ子守り奉公に出されます。

おしんは早朝から夜遅くまで、満足な食事も与えられず働かされ、
店の財布から50銭銀貨がなくなり、疑いをかけられたことに我慢できず、
吹雪の中、飛び出してしまいます。

実家に帰ったものの、今度は酒田の米問屋・加賀屋に奉公。
おしんの根性と辛抱する心を高く買った女当主・くに(長岡輝子)に可愛がられ、
習字やそろばん、帳簿付け、生け花、茶の湯、行儀作法を教えられます。

成年期 ~おしんは様々な人と出会い、そして成長する

第7週(5月16日)~第38週(12月28日)放送

大正5年、山形・酒田。おしん(田中裕子)は16歳のある日、
おしんは農民運動で警察に追われている高倉浩太(渡瀬恒彦)を助けたことから、
想いを寄せるようになりますが、浩太は加賀屋の娘・加代(東てる美)と駆け落ち同然に東京へ。

傷心のおしんは、8年勤めた加賀屋を去って実家に帰るも、
東京に出ることを選び、浅草の髪結いの師匠・長谷川たか(渡辺美佐子)のもとでの修行。
3年間給金をもらえない下積み生活。だが、当時、女性が独り立ちできる職業でした。

「たとえ10年辛抱したってええっ!自分の思うように生ぎられる女子になりっでえんだっすッ!」

そう叫ぶ、おしん。
骨身を惜しまず働き、先輩を抜いて客のところに出向いて髪を結うまでになります。

そんなおしんに好意を寄せたのは、佐賀の士族の出の豪農、田倉竜三(並木史朗)。
おしんも20歳。過労で倒れたおしんを見舞い、気遣う竜三の求婚をおしんは承諾します。

小作農の娘とは身分が違うという竜三の母・清(高森和子)の反対を押して、2人は祝言をあげます。結婚4年目には長男・雄も誕生。竜三とともに苦労しながら田倉商会の経営を軌道に乗せますが、
幸せは長く続きません。
不況のうえ、工場完成祝賀会のまさにその日、関東大震災が起こり、
竜三の商売は破たん。一家は、竜三の佐賀の実家へ身を寄せることになります。

佐賀での生活は地獄。
初めから結婚に反対していた姑は、
勝手に一緒になった挙句の果てに無一文となって転がり込んだと、嫁のおしんにつらく当たります。
それでも賢明につかえるおしんでしたが、2年後、娘を死産して心身ともに傷つくと、
夫を残し、長男を連れて東京へ帰り、さらに山形の実家に戻ります。

しかし、実家にも、もはやおしんの居場所はなく、
酒田で一膳飯屋を出すおしん25歳、大正14年のことでした。

「しあわせなんて、ひとがくれるものじゃない。自分で見つけるものなんだ」

その後、おしんは初恋の人・浩太の取り計らいで、
三重県の伊勢に移り、魚の行商を始めます。
おしんの後を追ってきた竜三との関係も修復し、
次男、次女も生まれて幸せな時期を過ごすも、それも戦争が踏み潰してしまいます。

昭和20年、津で大規模な空襲に襲われた翌日に長男・雄の戦死の報が届きます。
そして、軍の納入業者として羽振りの良かった夫の竜三も、敗戦のショックから
「私の人生で一番素晴らしかったことは、おしんに巡り合えたことだ」と言い残し
8月15日、自ら命を絶ってしまい、おしんはまたもやゼロからやり直すことに。

熟年期 ~おしんは戦後、激動の時を過ごした

第39週(1月9日)~第50週(3月31日)

おしん(乙羽信子)は、裸一貫から魚の行商として再出発。
戦後の混乱から高度経済成長の時代、おしんは必死に働き、
生鮮食料品の店を出し、それを大きくします。

昭和42年の春。67歳になったおしんは
20人の従業員を抱えるスーパー「たのくら」の経営者に。
実質的な経営は、次男の仁(高橋悦史)に任せていたが、
仁は堅実な商売を続けようとするおしんの反対を押し切り、積極的なチェーン展開を行います。
やがて、三重県下に16の店を持つ中堅スーパーに拡大。
昭和58年、17店目が開店するその朝、83歳になったおしんは独りひそかに旅に出ます。

「今まで夢中で生きてきた途中に、大事なものをたくさん忘れてきてしまった」

故郷の山の中で静かにつぶやいたおしんは、
生きた足跡を振り返えるように酒田、東京、佐賀、伊勢と歩き続けます。

『おしん』は、日本にも貧困の時代があったことを知らせ、
発展途上国の人々を勇気付ける効果も示しました。

日本以外では68の国・地域で放送され、8割~9割という高視聴率の国々もありました。

そして織り込まれる反戦の心。
与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」を朗々と詠みきった、
おしんの恩人俊作あんちゃん(中村雅俊)は脱走兵として射殺されます。

橋田氏は日経・私の履歴書で
「昭和天皇にご覧いただきたくて(中略)おしんの生まれを陛下と同じ明治34年にした。」
と記しています。

昭和4年生まれで54歳の母は83年の放送時夢中になり
「おしんが可哀想で」と繰り返していました。

私は放送中妊婦として通勤、産前産後16週間がちょうどドラマ終盤と重なっていましたが、
母に話を聞いても自分のことに精一杯な24歳でした。

ところが、2019年に還暦を迎えて視聴すると万感の思いがこみ上げました。

歴史の中で社会、親、夫、子らに翻弄されながら必死に生きてきた
母や祖母の世代の女性の辛抱強さが胸に迫りました。

「おしん」ウィキペディアにはより詳細なあらすじがあります。

おしん - Wikipedia

私でも親世代に口で言われるといい気持ちはしないが、ドラマは訴求力がある

橋田氏はだいぶ前から
「私たちの暮らしは豊かになったけれど、本当に幸福なのかしら。
豊かになるために、何か大事なものを切り落としてきたのではないかしら」
という思いを抱いていたといいます。

倉本聰氏も同じような思い出書いた連続ドラマ「北の国から」は
「金曜劇場」枠で1981年10月9日から1982年3月26日まで、
1983年からドラマスペシャルとしてシリーズ化され、
8編のドラマスペシャルが2002年まで放送されました。

当時(24歳)思いもしなかった言葉に
しみじみと感じ入るようになりました。

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