Withコロナ時代のワークライフバランス…テレワークのメリットを後退させずに

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今、あらためてワークライフバランスを考える

テレワークが進んでも壊せない「壁」根強い反対論をどうしたらいい?

さて、この10年政府の掛け声もありながら
今ひとつ達成感がなかったり、逆にデメリットがあると感じる
「女性の活躍・働き方改革・ワークライフバランス」の
実現の最大の壁は何でしょうか。

トップ、管理職を始めとした老若男女、未婚・既婚を問わず
社員の「意識」ではないでしょうか。

「意識」「マインド」が変わり、やる気になれば
具体的な成功例、方法論は書籍やネット上に溢れています。
職場の実態は業種・規模・男女比など千差万別ですから
お手本があっても、もちろん困難はあります。

取り組み始めるための「壁」
実践の中でぶつかる「壁」を突破する時に必要なことは何でしょう。

それぞれの社員が「自分ごと」として当事者意識を持つことだと思います。

それでは、老若男女、未婚・既婚といった立場を問わず
すべての社員が「自分ごと」として認識するにはどうすればよいのかを
お伝えするのがこのサイトであり
私のワークライフランスコンサルタントとしての役割だと考えています。

誤解されているワークライフバランスの正しい理解を広める

誤解は主に二つあるようです。

ワークとライフを50%ずつにして均衡をとるべきという誤解 

日本語にすると「仕事と生活の調和」ですが

私は人生を長いスパンで考えて調和を図ればよいと考えています。

人生100年時代の今や40~50年も仕事をするのですから
仕事に集中する時期や子育て期、不遇の時がくれば根を伸ばすべく自己研鑽期と。

「ワークアズライフ」という働き方をご存知ですか。
仕事とプライベートを分けることなく、寝ている時間以外はすべて仕事
仕事というか、もはや趣味である、という働き方です。

研究者、教員、実業家など様々な肩書を持ち
メディアアーティストと呼ばれる落合陽一さんが提唱した働き方の一つです。

最近ハマっているNewsPicksの中でも大好きな番組WEEKLY OCHIAIで
落合氏と同じくステキで超多忙な宮田裕章慶応大学医学部教授が二人で
「間」が必要と強調されていたのが印象的でした。

Zoomの会議・打合せが隙間なく続いた時の感想というか、感慨でした。
移動時間など、無かったら効率的なのにと思っていた
「間」が貴重だったということでしょうか。

主体的に、大いなる意義を感じ熱中している仕事でも、
休憩やリセットする時間が必要という「間」はライフに通じ、
上手に組み込むことが新たな発想の源になることは
多くの成功例が示しています。

小さな「間」から長い人生の中のロングバケーションまでライフの中身は人それぞれです。

「人生というハイウェイでは、追い越し車線だけをひたすら走り続けることはできない」

とは、作家村上春樹氏の言葉です。

経営戦略と位置付けられて久しいのに、まだ福利厚生と考えていませんか

企業経営においては
業務を効率化し生産性を高め
社員の創意工夫とモチベーションアップ
を図らなければなりません。
なぜ、これらが高まるのかはまた別記事で詳細にご紹介します。
(お急ぎの方は拙著「脱・不機嫌な女」をご参照くださいませ)

また、良い人材を獲得し、雇用を継続するためにもワークライフバランスは欠かせません。

就活においてワークライフバランスを重視する学生が現れ
あっという間に多数派になりました。
既にみせかけでは通用しなくなっています。

人材不足の我が国では
高い教育を受けた女性が働き続けることは
「人財」確保の点で欠かせません。

それには、正社員男性に代表される長時間労働を是正する必要があります。

子育て期の女性だけが肩身の狭い思いをする必要がないような
フレキシブルな働き方が老若男女問わず求められています

特に、団塊の世代が後期高齢者になり始めた今後は
働き盛りの段階ジュニアに介護問題が切実です。
介護離職を避けるためにも男性社員の育児休業取得を通して
仕事の属人化を脱し、標準化を進めるリスクヘッジは
マネジメントの必須事項
です。

介護はいつ始まり、いつ終わるかわかりません。
育児は始まりも終わりもほぼ予定が立ちますから
貴重なシミュレーションのチャンスと捉えるべきです。

コロナ禍による突然の在宅ワークは
問題点を改善しつつ、積極的に進めることが
労務管理上重要だと思います。


喉元過ぎればなんとやらで
古い仕事観や家族観に負けないようにしたいものですね

働く側にとってのワークライフバランスのメリット

一人で家計を支えるのではなく、夫婦で働いていることが
流動的な雇用環境にあって最大のリスクヘッジになります。

2019年に「2億円と専業主婦」という本が話題になりましたが
2013年発行の拙著「脱・不機嫌な女」では
平成17年度版の国民生活白書より働き続けた場合と
37歳でパートとして再就職した時の
生涯賃金格差は2億円と書きました。

この数字は講演会で紹介するとどよめきとともに
「絶対に働き続ける!」と声があがります。

現在のように社会が不安定なときに
心の安定をもたらすのは家庭の温もりではないでしょうか。

家族で協力しあって楽しく明るい安らぎのある
家庭を作りやすいのも共働き夫婦に利があるかもしれません。
在宅ワークで妻が疲弊するかどうかは、
夫婦のそれまでの家事・育児の在り方が大きく影響
しました。

保育園、幼稚園、小学校が休みで、子どもも在宅しながらの
自粛期間の在宅ワークは想像を絶するものだったと思います。

登園登校が通常に戻った時に、夫婦の通勤時間が無いメリットは計り知れません。
熱発・怪我や災害時の安心感も多大です。

ただし、会社員が在宅ワークする場合と違って
フリーのライターなどが保育園に入りにくいという状況は
30年前からありましたが、早急に改善する必要があります。

IT技術の進歩に追いついていないのは驚きです。
しかし、待機児童問題が解消されない現状の中で
相対的に在宅ならば「保育に欠ける」とはいえないとの価値観が
残っているのは「保育が必要」と2015年に改正された
子育て支援制度の趣旨に反しています。

また、在宅ワークが不可能な職種の方々も
社会の在宅ワークが進めば、その分労働時間短縮に向かう
いえ、向かわせなければいけないと思います。

仕事一辺倒、会社の論理だけでなく
自分を高める勉強や趣味、地域活動など幅広い視野を持ち
豊かな人生を送るために欠かせないのがワーク・ライフ・バランスですから
人生100年時代にますます重要性は増しています

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