男の人生は妻の収入の有無次第という具体的なケース紹介

ワークライフバランス

専業主婦を背負いたくない男性の増加、今や男女の意識が逆転してきています

以下に実例をあげて妻が仕事を続けることのメリットについてご紹介します。

一方で、専業主婦になりたいという二〇代女性が
減少傾向から増加に転じているという調査結果や報道が出てきました。

この10年、そうした報道が散見されます。

朝日新聞の「結婚未満」(二〇一二年九月からの連載)というコラムにも
次のようなケースが紹介されていました。

公務員の二八歳の女性の例です。

彼女の職場は制度が整っているために
結婚・出産で仕事を辞める女性が少ないにもかかわらず、
自分の母親のように専業主婦になりたいと強く思っています。

その恋人である外資系企業で働く二七歳の彼は
一人暮らしが長く、実家暮らしの彼女より家事は得意で、
育休も取るつもりでした。

二人の思い描く結婚生活のイメージは違っていたのです。

彼女のほうは、家計管理の名の元に
夫になった彼の収入はすべて妻である自分が把握し、
夫にはお小遣いを渡すことを当たり前だと考えていました。

一方、彼は俺の稼ぎを
働かない妻からなぜ「お小遣い」として貰わなければならないのか
と考えていたためです。

結局彼女は彼に振られます。

このコラムのようなケースは、結構あるのではないでしょうか。

男性の非婚化の原因もこの辺りが大きいようにも思います。

男性の側はかつてとは比べものにならないほど、
外食産業やコンビニが普及し、食生活を支えてくれるための存在としての
妻の存在感はぐんと下がっています。

また、「弁当男子」や「イクメン」という言葉の流行からもわかるように、
女性以上に家事が得意で軽々とこなし、
育児にも積極的に関わっていきたいと思っているのに、
妻子を経済的に一人で背負わされることには負担を感じるのではないでしょうか。

結婚は経済的にも時間的にも「コスバが悪い」なんて言う人もいるくらいですから。

女性の側は大変な思いをして仕事と家事・育児の両立をするより、
母親世代の古き良き時代のイメージのままに、
親に代わって夫が養ってくれて、
しかもお財布は自分が握る「リバイバル昭和妻」を望む傾向があるそうです。

でも、待っているのは「ワンオペ育児」だったり…

愛する男性の重荷になるのではなく
結婚とは一人で生きていける人間同士が
より良く生きるために手を携えていくものであって欲しいと思います。

夫婦共働きがパートナーである夫の幸せをも左右するという実例として、
一番身近な私の夫のケースをご紹介します。

東証一部上場企業を退職、講師を経て天職の教師になったわが夫のケース

夫は、早稲田大学の教育学部で五年に進級(?)した直後に
私と出会い、卒業と同時に結婚しました。

教員採用試験が残念な結果に終わったため、
遅い就職活動を始めて運良くあるメーカーに入社することができました。

翌年には長女を授かり、育児をしながらの共働きをする生活の中でも、
夫は教員採用試験の勉強を細々と続けていました。

大学での専攻が教育学科教育学専修だったように、
小学校三年生のときから教師になることを夢見ていたのです。

忙しい生活の中では試験勉強が思うようにできず、
焦り始めていた結婚二年目の終わりごろ、
私立学校の講師募集の話が耳に入ったのです。

講師ですから、運良く採用されても月収は一〇万円程度になってしまいます。

夫は妻子ある身でもあり、乗り気ではありませんでした。

しかし、「二人の世帯収入があれば充分に暮らせるのだから
ここはチャレンジするべきだ」と、夫の背中を押したのが
一人前の給与を得ていた妻だったのです。

夫は無事、講師に採用され、次の年にはめでたく専任教員になることができました。

天職と信じる仕事に転職できた夫は、
還暦を過ぎた今も同じ学校に勤め続けています。

あの時のチャレンジ、決断は正しかったというのが
夫婦共通の思いであり、
夫が私に感謝してくれていることは、私の喜びにもなっています。

のちに、私が退職し独立起業するとき、
夫が快く応援してくれたことは言うまでもありません。

人生の分かれ目になった妻の仕事の有無

次に、対照的な道をたどった二人の女性の例を紹介しましょう。

二人とも得意の英語を活かし、
一人は外国の航空会社のキャビンアテンダントとして、
もう一人は外資系証券会社の秘書として、
それぞれ誇りとやりがいを持って働いていました。

しかし、仕事を続けたか否かで四〇代以降の、二人の人生は大きく違ってしまったのです。

夫がスポイルされ、DVから離婚に至ったケース

K子は留学経験もあり、早稲田大学を卒業後してCAになりました。

「私たちは顔が命だから」と言いつつ着飾り、
フェアレディに乗り、白金に住み、華やかな独身生活を謳歌していました。

30歳を過ぎたころ、K子は仕事先の欧州で、
大使館の料理人の10歳年下の男性と出会い、結婚しました。

妊娠していた彼女は、CAの仕事と育児の両立は無理と考え、
日本で専業主婦になり、実家から5分のところに新居を構えました。


結婚と同時に帰国した夫は、
自分の店を持つという夢の実現のために
老舗のレストランでさらに修行を積むことになりました。

夫の収入は修行中の身ゆえに多いとはいえず、
妻も専業主婦ですから経済的には苦しかったことでしょう。

ところが二人は、あっという間に三人の子持ちになってしまったのです。


生活はますます苦しくなり、夢の実現する見通しも立たない夫は
次第に荒れていき、結婚生活はすったもんだの末、八年で終わってしまいました。

K子は3人の子を連れて実家に戻り
フランチャイズの英語教室を開いて必死で働きました。

小学生と幼児だった子どもは祖母の手助けで育ち、
今は子育ても最終段階となりました。

しかし、フランチャイズでは事業の拡大も思うようにはいきません。

競合他社も多く、大幅な収入増は見込めないでしょう。

厳しい言い方になりますが、状況を冷静に描写すれば、
共に子育てした人生のパートナーも存在せず、
後は老親の介護が待つだけなのです。

もし、しばらくでも夫の夢の実現を支えるために
CA を辞めずにいたら、地上勤務でもいいので
なんとか働き続けたら、あるいはせめて語学力を活かし、
将来性のある仕事に転職でもしていたら、
夫婦の将来は違ったものになっていたと思います。

若くして、欧州の大使館で料理修行までした
腕も野心もある元夫は夢破れ、田舎に帰りました。

彼女と彼女の両親から見れば、元夫はダメ男です。

しかし、夫やその両親の側から見れば、
十も年上の女性に引っかかってしまい、
夢を諦めざるを得なかった可哀想な息子と写るのではないでしょうか。

夫婦の間のことは、繊細で微妙で複雑ですから
たとえ親でも二人の真実はわかりません。

しかし、生活の土台ともいうべき経済的な問題は重要なのです。

ところで、最近は「できちゃった婚」よりも
プラスイメージの「授かり婚」という言葉が好まれますが、
K子の例にかぎらず私は賛成できません。


結婚生活のみならず、人生は計画通り、思い通りにはいかないものです。

出会いはもちろん仕事や家族の健康など、
自分の意志だけではどうにもならないことだらけです。

その人生のなかで、
自分自身がコントロールできる数少ない重要事項が
「望まない時は妊娠しない・させない」ということです。

いつ、何人を育てていくかは、まさに夫婦の共同作業です。

出産についてはどうか神まかせにせず、夫婦でよーく話し合ってください。

それは単に子育ての計画にとどまりません。

必ずや人生や価値観の理解が深まり、
お互いを思いやる気持ちも増すはずです。

さらに妊娠中のいたわりや、
育児から続く長い子育てまでも、
共に協力し、支えあっていける出発点になることでしょう。

夫をスキルアップと失業を支えたケース

 一方のY子は、聖心女子大学を卒業し、
広告代理店を経て外資系証券会社に勤めました。

クローゼットにはDCブランドの服が溢れ、
ちょっとした休みにはハワイへ出かけるようなバブリーな20代でした。

Y子は、バブル崩壊後ほどなく結婚し、娘を産みました。

仕事は続けましたが、娘の小学校入学前に離婚しています。

離婚原因は彼女の両親との同居にありました。

その後、再婚し、次女も産まれ現在に至るまで
ステップファミリーとして仕事を続けています。

次女がまだ保育園児の時に、長女の中学受験が重なり、
塾通いの迎えなどで大変でしたが、
すでに多少は融通のきくポジションに上がっていたこともあり、
何とか頑張ることができました。

夫が独立起業を目指して三年間の専門学校通いをした時も
Y子の収入で支えることができました。

彼は無事資格を取得し、開業資金を貯めるために勤めを再開しました。


ところがリーマンショックの余波で、夫の会社が突然解散してしまいました。

そんな危機の中でも、勤続25年を超すY子の年収は1000万円ほどあり、
夫は焦ることなくじっくりと新しい仕事を探すことができたのです。

再就職先ではトントン拍子で出世し、役員に抜擢されるほど活躍しています。

次女の中学受験も控え、娘たちの教育費がかかるあいだは
安定収入を確保し、夫婦でやや遅い子育てを楽しみつつ、
高額のダブルインカムで開業資金を着々と準備中です。

子育て後の人生に夢をふくらませながら、仲良く暮らしています。


もし、Y子が最初の結婚を機に仕事を辞めていたらどうなっていたでしょうか。

もしかしたら、不本意な結婚を続けていたかもしれません。

もし再婚後に辞めていたら、
夫は資格も仕事も手に入れることができなかったかもしれません。

ステップファミリーとしての難しさもありましたが、
専業主婦になってそのことだけに囚われてしまったら、
かえってこじれて今のような仲良し家族になれていなかったのではないでしょうか。


Y子のケースは、前述のK子に比べて
夫に理解があったのではと思われるかもしれませんが、
Y子の夫はむしろ暴君と言えるほどわがままな面もあり、
子煩悩ではありますが家事・育児はY子任せです。

それでも、充実した仕事と収入に裏打ちされた自信の現れでしょうか、
年上の夫と上手に付き合っています。

一方、自分の収入が無いK子は
三人の幼な子を連れて自分の実家に入り浸って
夫の愚痴を言うほかはなく、夫にすれば面白くなかったでしょう。

女性の人生は結婚相手次第と言われますが、実は男性の人生も同じです。

愛する男性を幸せにできる、器量の大きな女性をめざしませんか。

それには収入の裏付けが必要なのです。

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