働くことの視点を変えてみる 転職するにも広い視野と最後の闘い方

ワークライフバランス

上司は変えられない、替えられない、仕事量は減らせない、
工夫の余地もない…という職場もあるでしょう。

その時は、あなた自身が変わるしかありません。

あなたの「仕事観」を大胆に見直して、ときには思い切って転職を視野に入れてみてもよいのです。

同じような職種や職場だけでなく、視野を広く持ちましょう。

ただし、最後の闘いの余地はあります。

第六次産業を知っていますか Uターン Jターン Iターン も多様化している

たとえば、農林漁業の現場や高齢者福祉の現場では、まったく人が足りていません。

仕事の厳しさや収入の低さが敬遠される理由でしょうか。

第一次産業の保護・育成や、
介護労働の専門性に見合った賃金の確保は目指すべきですが、
ここでは少し違った視点で考えてみたいと思うのです。

第一次産業は、人間の永い営みの根本にある尊い仕事です。

少しずつですが、協同組合や企業が、安定した収入や社会保障の観点から
農林水産業を見直し新しい働き方を開発しつつあります。

あるいは、加工(第二次産業)、販売(第三次産業)までを視野に入れた、
新しい言葉として第六次産業(1+2+3、あるいは
もっと積極的な意味を込めて1✕2✕3)と捉え直してもいます。


介護労働も同じです。

その尊さややり甲斐を否定する人はいないにもかかわらず、
とくに収入の低さが問題になっています。

介護現場では、妻子を養えないという理由から
男性の「寿退社」があるそうです。

夫が妻子を一人で背負おうとするのではなく、
夫婦で協力する「ダブルインカム」を目指せば、転職の必要はないのです。


また、検品、配送、清掃といった仕事をあなどってはいませんか?

これらは一見、生産性の低い単純労働のようですが、機械ではできない仕事です。

単純に見える労働にも熟練や工夫は不可欠であり、
人間関係を良好に保つ「人間力」も必要です。

利点は、比較的労働時間がハッキリしていることでしょう。

その分、ライフを重視するという生き方もあるではないでしょうか。

職場を辞められないというトラブル「労働基準法」を読みましょう、短いから

最近の労働相談に、「会社を辞められない」という内容が増えています。

退職は、会社に許可を求める必要はありません。

辞める自由は労働者に保障されている権利です。

会社は、働く側が知らないことをいいことに、
「認められない」など様々な脅しをかけてくることがありますが、
民法では退職日の二週間前までに退職届を堤出すれば有効とされているのです。

仮に就業規則などで、「会社の承諾必要とする」と定めてあったとしても、
それは労働者の退職の自由を不当に制約するもので、無効です。

もしトラブルが起きそうな場合には、退職届を会社宛に内容証明郵便で送っておくといいでしょう。


退職金についても同じです。

就業規則などに「会社の承認を受けずに一方的に退職した者には退職金を支払わない、
または減額する」といった定めがあっても、
合法的に行われた退職であれば、会社は退職金を支払わなかったり減額したりすることはできません


また退職するときには賃金や退職金の支払期日についても決めますが、
月末や直近の締日を経た次の支払日などと一か月以上先という場合が多いでしょう。

しかし、「あなたが請求すれば、七日以内に賃金を支払い、
積立金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、
労働者の権利に属する金品を返還してもらうことができる」
と労働基準法に定められています。

さらに、「会社が離職票を書いてくれないので失業給付が受けられない
と相談もありますが、会社はこれを出さないと雇用保険法によって罰せられることになります。

この場合、会社の所在地を管轄するハローワークに相談すれば、会社を指導してもらえます。

辞める前の最後の挑戦 労働基準監督署からの指導や労働相談して交渉する 

最後に、辞める決心をする前に是非トライしてほしいことがあります。

それは、同じように厳しい労働環境の中にいる同僚と協力して、
労働条件を改善するよう上司や会社と交渉することです。

自分が辞めたら残った人にもっとしわ寄せがいくので申し訳ないと思い、
辞めたいのに辞める決断ができないという人も多いでしょう。

しかし、自分もまわりも大事だと思う気持ち、
それはけっきょく、良い仕事で貢献するという「会社を思う気持ち」にも通じます。


もちろん、労働基準法などを知らないばかりに損をしている場合もあります。

労働基準法では、原則として、週四〇時間、一日八時間以上労働させてはならない
と定められています。

例外として残業をさせる場合には、協定で定めた限度時間内に限られます。

非正規雇用でも基準を満たせば有給休暇、育児・介護休業など、
法律で定められている休みが取れることを知っておくべきでしょう。

ググれば、判りやすい解説がいくつもあります。

労働基準法に関するQ&A
労働基準法に関するQ&Aについて紹介しています。

こうした休みを取得しやすい職場風土を、
一人一人が勇気を持って作りあげていくことが必要なのです。

サービス残業の実態として、会社が残業手当の上限を設定している場合があります。

また、多くの企業では管理職には残業手当が出ませんが、
この「管理職」が労働基準法第四一条でいう「管理監督者」に
必ずしも一致しているわけではないというケースが増えています。

つまり、法律を逆手にとって、サービス残業を教養しているのです。

「なんちゃって管理職」や「名ばかり店長」などはその典型でしょう。

昇進や昇格は嬉しいものですが内示があったときには、
それによって給与体系はどのように変更されるかを必ず聞いておきましょう。

特に、わずかの「役職手当」と引き換えに残業手当がつかなくなると
大幅な減収になってしまうことがしばしばあります。

そうしたときは、辞退も含め冷静に判断しましょう。


都道府県労働局や労働基準監督署には、
労働者や家族の方などから長時間労働や
賃金不払残業(いわゆるサービス残業)に関する相談が数多く寄せられています。

労働基準監督署は、労働者などから情報が寄せられた事業場などに対して
重点的に監督指導を実施しています。

こうしたケースは、労働者本人や家族が、
労働局なり監督署なりに相談を寄せて、
監督指導が実施され是正にいたったもので、氷山の一角だと思います。

長時間労働をしている皆さん、それを当たり前だと思わずに、
家庭や身心を壊す前に疑問に思ったら早めに、
まずは専門家に相談してみてはいかがでしょう。

専門家とは先の行政機関の他に、
弁護士や社会保険労務士による無料相談の機会や労働組合の労働相談などたくさんあります。

最後に、労働相談をするときの大切な心得を上げておきますね。

  • 残念ながら法律に照らして、相談先が一刀両断に即時解決してくれるというものではありません。当事者であるあなたが自ら解決する心構えが必要です。
  • 相談先の担当者も本当にいろいろです。(特に行政窓口の場合は)
    がっかりしたり、怒ったりせずに、他のたくさんの相談先に尋ねてみてください。


「知は力」です。

あなたが法律知識を得て誠実に話しをするだけで解決に至る場合も多くありますから、
希望を持って相談してみましょう。

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