右派の台頭は戦略と努力の賜物 危険な今、本質を見極めて

政治経済

「定年退職した親父がネットウヨになっていた」という記事を数年前に読みました。

団塊の世代は20代で政治の季節を経験しているので
「企業社会の枠」を卒業したらリベラルにと期待していました。

ところが、若い世代とともに右傾化・保守化しているのは戦略の巧みさに他なりません。

本当の愛国心は統治機構の国家でなく邦や故郷を大切にする気持ちだと思います。

2019年秋に彗星のごとく登場した右派論客

2019年の秋ごろ日本共産党に関するネットサーフィン(もはや死語ですが)中
に偶然、ヤメ共の篠原常一郎氏が出演するYouTubeに出会いました。

一時ハマった理由は次の3点です。

① 2004年に共産党を除名された篠原氏の共産党批判に共感する部分と、
1歳違いなので、往年の幹部とのエピソードには懐かしさがありました。

② 月刊Hanada 10月号(掲載誌への疑問はさておき)に
チュチェ思想研究が掲載されたところから快進撃が始まったように思えました。

主体(チュチェ)思想は漠然と知ってはいても朝鮮半島情勢には疎かったので、
陰謀論めいた部分も含めて面白かったのです。

③ これが一番重要な点ですが、
声がよく、語りがお上手だったので寝る前に聴くには適していました。

ただし、ある時青木理氏を
普段の口調と打って変わって罵った時から聴く耳が変わり、
ある時上野千鶴子氏を「あのキ〇ガイ」の一言で切り捨てたことで私は目が覚めました。

私にはメルクマールになる方々でしたが、
左翼的と見られているサンデーモーニングやモーニングショーに出ている青木理氏、
フェミニストの親玉上野千鶴子女史というイメージしか持っていない
多くの篠原氏ファンは共感するにしろ、嫌いにはならないのでしょう。

ファン獲得(YouTubeのチャンネル登録者数)の様は驚くほどで、
2019年暮れからは60歳にして見た目にも垢ぬけていかれるのです。

さらに1年半近く経った今主張の内容も含めて、
「思えば遠くへ来たもんだ」と思っていらっしゃるのではないでしょうか。

ファン獲得の要因は左翼に欠けている3点が顕著


ファンを獲得できたのは、
シニアにも拡大しつつあるYouTubeの利用、好まれる言動、そして毎日配信(メルマガなども)
の努力という私のよく知る範囲の左翼には3つとも無い点です。

「好まれる言動」とは、第一にリラックスした雰囲気と語り口です。

初期のホワイトボードを使っての説明もお上手でしたが、
再生回数の反映でしょうか、最近はほぼお酒とおつまみを冒頭で紹介して
1時間にわたる一人語りスタイルが多くなっていきました。

これは丁度2019年11月のNewsPicksで、
堀江貴文氏が試行錯誤の末に辿りついた「一人語り」の
シニアバージョンとでも言える方法です。

生配信も多く、一緒に飲み画面を通して語り合い、投げ銭をしている方々も多いようです。

親しみやすく分かり易い口調、主張でなく情報提供に重きを置いているので
篠原氏は「シノッパ」というファンから尊敬されています。

時には、議員秘書としての過去の経験をもとに
理論的で舌鋒するどくさる議員の矛盾着くさまに胸のすく思いをしている方も多いでしょう。

私はその経験をなぜ安倍総理には当てはめてくださらないのか、
残念で仕方ありませんでした。
早口でチラリと総理を褒めることはあっても。


ここからは私の陰謀論的推測ですが(笑)
映画「主戦場」でスターを失いそうになった勢力から
白羽の矢を立てられたのかな、なんて。

なぜなら安倍氏のNHK圧力疑惑の対象番組と
篠原氏が声を大にして注意喚起する事柄が共通なので。

YouTubeチャンネル登録者数からみた社会

悔しいので本当は書きたくないのですが、
危機感を感じていただくためにあえて記します。

YouTubeのチャンネル登録者は影響力を測る一側面でしかありませんが、
篠原氏にとってもそれは当てはまりますのでご参考までです。
人数は(2020年12月→2021年5月)

篠原常一郎氏 16.9万人 → 22.9万人 

日本共産党 5.6万人 → 7.47万人

ビデオニュースドットコム(500円/月) 6.9万人 → 7.39万人 

NewsPicks(1600円/月) 25.2万人 → 34.1万人

篠原常一郎氏の個人チャンネルに対して
19歳の時から四半世紀も同志だった小池晃書記局長の「日本共産党」が三分の一です。

有料ニュースチャンネルではリベラル対新自由主義の差が表れでしょうか。

もっとも、YouTubeの2021年5月 チャンネル登録者ランキングを見ると
996万人が1位で、中田敦彦氏のYouTube大学が 382万人で25位という世界ですが

橋下徹政権が誕生する心配はないか

大坂都構想の住民投票の結果に恐ろしいほどの危機感を感じませんか。

維新を除く全政党が一丸となってどうにかこうにかの否決でした。

住民投票前の維新勢力の出演は東京でも湯水のごとくでした。

その後も橋下徹氏の情報番組のレギュラー出演は続いています。

思わず「上手いな~」と唸ってしまうような弁舌を披露しています。

2021年の10月までには行われる総選挙の時、
コロナ禍やオリンピックを開催しても中止しても
日本の社会はさらに疲弊、劣化しているでしょう。

アンナハーレントの言う小役人ではなく、そこそこ大物が登場したらどうなることでしょう。

巧みな話術でマスメディア、ネットメディアへ出演し、人々の心を掴んでいます。

なぜなら、過去の著書によるとお手のもので、実に上手に実行されているのです。

「嘘つきは政治家と弁護士のはじまりなのっ!」(『まっとう勝負!』小学館)36歳

「僕は育児に家事、何もしないですよ。
子供は単に玩具感覚の可愛さです。
(中略)何もしない。
完全にキム・ジョンイル体制。将軍様ですもん。
(中略)僕は子供をつくるまではすきなのかなあ」(「女性自身」2006年10月17日)

「交渉において非常に重要なのが、
こちらが一度はオーケーした内容をノーへとひっくり返していく過程ではないだろうか。
まさに、詭弁を弄してでも黒いものを白いと言わせる技術である」

「交渉では“脅し”という要素も非常に重要なものだ」

「私は、交渉の過程で“うそ”も含めた言い訳が必要になる場合もあると考えている。
自身のミスから窮地に陥ってしまった状況では特にそうだ」

「正直に自分の過ちを認めたところで、何のプラスにもならない」

「絶対に自分の意見を通したいときに、ありえない比喩をつかうことがある」

たとえ話で論理をすり替え相手を錯覚させる!」(以上、『図説 心理戦で絶対負けない交渉術』日本文芸社)

どんなに不当なことでも、矛盾していることでも、
自分に不利益になることは知らないふりを決め込むことだ」(『最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術』日本文芸社)

権利の主張や政権批判ばかりの左翼がなんとなく嫌いで
日本を大切にする右翼に魅力を感じる方々へ

年を重ねると若い頃は気にも留めなかった、花鳥風月を愛でる気持ちが湧いてきますすね。

それはとりもなおさず、
伝統行事を大切にすることであり「日本」や「日本人」であることの喜びに繋がっています。

しかし、私が好きな日本は郷や邦であって統治機構としての「国家」ではありません。

日本の風土やふるさとを愛する気持ちでその破壊に加担しないようには気をつけたいものです。

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