“魔法のカード”に出会ったのは全国女性会館協議会全国大会in山形の分科会です。
「ジェンダーカード」とは、日常にふと感じる「はて?」を問いかけ(「女だから…男だから…」と言われたことはある?)が書かれた職場・家庭・地域・学校編の各10枚と白紙カード5枚の45枚です。
カードの問いかけに応え、話し合い、分かち合うことで、隠れた本音や自分自身のアンコンシャスバイアスに気づくことになりました。
ジェンダーカードを体験してみたら…
私が参加したグループは年齢(10代―60代)、性別、仕事、環境も違いましたが限られた時間でも話しが弾むこと、学びのあることと言ったら❣
隣のグループでは思いっきり愚痴をはきだし、共感が深まったようでした。
ジェンダーカードを作ったのは山形男女共同参画センターチェリアの登録団体「ちぇりっぽ(女性=健康Yamagata)」です。
ジェンダーカードとはどんなもの?
町内会などでは地域編や家庭編、同じ職場や団体などには職場編、男性講座には家庭編や地域編、そして学生や学校などには学校編がありますが、参加者に関わり深いカードを任意に選べます。
カードの説明書には、4つのカテゴリーの視点が丁寧にしっかりと示されています。
学校編…性別や年齢、障がいの有無などにかかわらず一人ひとりを大切にする気持ちが育つよう
地域編…結婚して夫の姓になると「戸籍筆頭者」「世帯主」も夫になり地域で女性の影を薄くしているのかも
家庭編…一人暮らしも多くなった昨今、性別に関わりなく誰もが健康的で安全な暮らしを営む力をつけよう
職場編…お茶出しや電話番など昔の慣習が残っていませんか、キャリアを積み、見合った待遇が必要な時代です
カードの問いかけはすべて「?」で終わっているので、多様な意見を言いやすく、アサーティブ(相手を尊重しながら自分の意見や気持ちを適切に表現すること)なコミュニケーションができるのです。
大学生が高校生のために作ったユース版も経験してみた
Z世代らしさに溢れ、そもそもカードの疑問文がジェンダーレスでナチュラルでした。高校の授業はもとより、わが子ともっと会話したい親にとって頼りになるツールです。
親子間のつもりが家族みんなとの会話が弾み、だんだん夫婦のジェンダーギャップに気づいて、理解が進んだりしたら素敵だと思います。
さらに、社会への興味・理解が家族で深まることは、進路について話し合うときの一助どころか、多くの助けになることでしょう。」
当初「ジェンダーカード」で検索するとジェンダーリピールカード(赤ちゃんの性別発表)がずらりと並ぶので、「ジェンダーギャップカード」という名称ならば内容もわかりやすいのではないかと感じました。でも、実際に体験してみたら「ギャップ」とか「格差解消」などをうたわない、まったく押し付けがましさのないところが魅力なのだと気づきました。
ユース版については山形県男女共同参画センターチェリアで貸し出しをしているそうなので、https://yamagata-cheria.org/へお問い合わせください。
カードを使って講座を開催するには
40枚のカード内容や使い方を知るためには https://cherippo.eneweb.net/まで購入のお申込みをお願いします。お問い合わせ先 cherippo@eneweb.net
ジェンダーカードには、使い方や活用場所のガイドも入っています。
とはいえ、主催者(2人~5人)で使い方にしたがって実際に一度経験してみることをお勧めします。思わぬ発見がご自分にも周りにもきっとありますから。
講座の狙い、参加者の人数・属性や求めているコトを考えて使い方のアレンジがおすすめです。白紙カードが5枚入っていますので、男性、シングルマザー、未婚、LGBTQの視点をさらに強化できます。
シニアのアップデートはシニアにお任せください
2024年6月17日のクローズアップ現代「女性たちが去っていく“地方創生10年で何が”」は10年前の【消滅自治体】というワードに衝撃が走った以降の様々な対策・政策の結果を検証しています。
地方創生、地域創生を成功させる鍵の一つにジェンダーギャップ解消が欠かせないことに気づかされました。
ただ、男女共同参画法が成立して25年、地方自治体の男女共同参画センターの努力にも関わらず
若い女性が住みにくい訳を気づいていないシニア世代に理解いただくことが大切だと考えていました。
そこに“魔法のカード”との出会いがありました。
男女共同参画を理論からではなく、個々人の実感や本音からスタートすることが大切だと思う私にぴったりのツールでした。
地方創生、地域創生の素晴らしい企画がシニアの反対に合うことはありませんか?
今年高齢者の仲間入りをした私は、シニアが生きてきた時代や気持ちに共感することから始めて、価値観をアップデートしていただきます。