「渡る世間は鬼ばかり」についての再放送予定や今見る方法と面白さについてご紹介します。
連続ドラマ放映時は姑が夢中だったものの私自身は全く関心がなかったのに、
歳を重ね様々な経験を積むごとに共感ポイントが徐々にふえ
(ツッコミどころはありながらも)ました。
人生100年時代への先見性と家族の普遍性があり、
30年にわたって高視聴率をキープした秘密がわかります。
橋田寿賀子さんが亡くなり、
「おしん」と「渡る世間は鬼ばかり」というテイストの違う二つのドラマの
偉大さをあらためて感じています。
「おしん」については下記でご紹介していますが、
明治・大正・昭和を生き抜いた女性の一代記です。
一方の「渡る世間は鬼ばかり」は
平成の30年間の家族が年月とともに移り変わる様を
見事に映し出し、多くの共感を得ました。
再放送予定と全話が観られるParaviのご紹介
再放送はBS―TBS 4月9日(金)14:00~16:54 「2019年3時間スペシャル」
TVer、TBS FREE、GYAO!でも、2017年、2018年、2019年のスペシャルを期間限定で配信します。
Paraviでは、これまで放送した「渡る世間は鬼ばかり」
第1シリーズ~最終シリーズおよびスペシャルの全話を配信しています。
今でも見る意義がある家族の普遍性と人生100年時代の先見性
人生100年時代の先取りが素晴らしい 男性のセカンドライフのお手本
男性にこそ見ていただきたいポイントです。
「嫁姑ドラマ」として女性向けと思われがちですが、
男性の描き方も素晴らしいものがあります。
中心になる「岡倉家」の父は定年後、
行きつけだった店で修業、調理師免許も取り板前として
小料理屋「おかくら」で第二の人生を歩みます。
藤岡琢也さんと山岡久乃さん演じる夫婦の夫唱婦随ぶりも
あの世代らしさと新しさのバランスがステキです。
前田吟さん演じる長女の夫の仕事人生も波乱に満ちています。
サラリーマンとしてリストラをする側の苦悩、
その後かつての同僚とご飯屋を始め、
やがて手に職をつけ植木職人になり生き生きと働くようになります。
三田村邦彦さん演じる三女の夫も脱サラして自然食品の店を始めます。
そうした生き方や働き方の変化中で
「昭和を生きた男性陣の古い価値観」も少しずつ変わっていきます。
女性の生き方のバリエーション豊富さが人気の秘密
岡倉家5姉妹の家族と仕事が描かれているので、誰かしらに感情移入できます。
長山藍子さん演じる長女は看護婦(当時)を辞め、
専業主婦で大病をした姑と同居し、献身的に介護します。
子育てや介護の終了とともにレストランの店長や
資格を活かして保育園に勤めたり、
自宅で学童保育のような居場所を創ったかと思えば
最後はシニアの居場所を創ってしまいます。
中田喜子さん演じる次女は
キャリアウーマンという言葉が流行った頃から企業で働き、
やがて旅行業で独立起業という仕事人生の傍らで
長男の嫁を押し付けていた姑が認知症になったり、
離婚したりの苦難を乗り越えていきます。
泉ピン子さん演じる三女は
もう一つの中心舞台「幸楽」という今でいう街中華に嫁ぎ、
姑中心のお店で小姑二人にもいびられますが、健気に頑張ります。
現在からは想像し難いかもしれませんが、
30年前のピン子さんは痩せていて、いびられるお嫁さんだったのです。
野村真美さん演じる四女は建築家になり、
双子の母にもなりますが、恋多き女性でした。
意外な俳優さんが恋人役で出演していたりします。
藤田朋子さん演じる末っ子は放送開始時には女子大生。
開業医の息子の医者と結婚するも病院の後継問題や岡倉をも背負うことに。
大きな柱だけでも姉妹全員に紆余曲折がありまくりです。
1クールのドラマでは到底描き切れないし、感じられない家族の歴史がそこにあります。
共通なのは姑の苦労と子育ての難しさがありつつもお金の苦労は無い
もれなくどの家族も直面するのが子育ての大変さです。
それも「育児」の大変さが描かれるのは4女の双子くらいで、
もっと長い子育てを描かれるところが長寿番組ならではの面白さです。
思春期から結婚まで、親の思い通りにならない様に共感しまくりです。
姉妹が人間関係では苦労の連続でも、
経済的な苦労はほとんどなく、むしろ恵まれた生活であることが救いです。
また、子どもたちが超優秀であることも、
夢があり視聴者を惹きつけている点かもしれません。
2019年9月の3時間スペシャル時のあらすじや相関図は下記です。
幸楽での仕事も無くなった泉ピン子さんが
YouTubeを始めて元気を取り戻すところは、
当ブログの目指すデジタルシニアと同じです。
でも、私が思いついたのは2020年、2019年作品でも先見性は健在でした。
1990年から一年おきに10シリーズ(1シリーズ一年間)と
2012年からのスペシャルが7本あります。
自分の人生と重なる現在・過去・未来
先に「紆余曲折ありまくり」と書きましたが、
30年を振り返ると自分の人生もそれなりにいろいろなことがあったと
あらためて思いだされるのではないでしょうか。
私の場合、
90年代は姑自体がお姑さん(夫の祖母)と同居しながらの自営業、
小姑が二人と泉ピン子さんそっくりな状況で本当に楽しみに視ていました。
2000年代はお嫁さんだった義母が姑に昇格し、私は「長男の嫁」と何度言われたことか。
一男一女が結婚した今や私も立派な姑の立場になりました。
そうすると、まったく共感できなかったり、
見えなかったことが見えるようになる不思議があります。
もちろん、他山の石としてはいますが、それなりにいろいろあるのが人生と。
亡くなった俳優さんも多く、若きお姿に接しながら自分の人生の行く末を考えてしまいます。
でも、お亡くなりになる直前まで次回作を構想していた橋田寿賀子さん、
石井ふく子プロデューサーや野村昭子さんなど
90代になってもお元気な方々に習いたいものです。