菅政権に引き継がれた、安倍政権を支えた―新自由主義右翼の正体

政治経済

菅政権が発足したのは2020年9月ですが、
2012年12月より第2次安倍政権の内閣官房長官として8年にわたり安倍政権を支えてきました。

菅政権の支持率低下が止まらないなか、解散総選挙は衆議院任期満了の10月までにはあります。

菅・安倍政権を支えているものについて
岩波「世界」に掲載された調査で明らかになった「新自由主義右翼」とは誰でしょうか。

安倍・菅路線では日本は幸せになれない

「ビデオニュース・ドットコム」2020年10月21日
「だから安倍・菅路線では日本は幸せになれない」
橋本健二教授(早稲田大学人間科学学術院)ゲスト回

だから安倍・菅路線では日本は幸せになれない(橋本 健二早稲田大学人間科学学術院教授) -マル激
カテゴリー「安倍政権」「格差」「格差社会」「貧困」 著書『アンダークラス 新たな下層階級の出現』や『新・日本の階級社会』などを通じて、日本にも「一億総中流」の合言葉とは裏腹に高度経済成長の直後から経済的格差が広がり始め、近年にいたってはそれ...

岩波「世界」11月号の特集「新政権の構造と本質」の巻頭を飾ったのは
「誰が安倍政権を支えて来たのか―新自由主義右翼の正体」であり、

研究プロジェクト名は
「大都市部における格差拡大の進行過程とその社会的帰結に関する研究」でした。

一割の新自由主義右翼に支配されている

12分弱のダイジェスト版の2分47秒から示される表によると、

新自由主義右翼10.2%、穏健保守38.9%、リベラル50.9%なのに、
安倍政権の長期化、自民党選挙6連勝の理由、
1割の人たちの考え方に支配されている理由が事実として明らかにされています。

沖縄基地反対闘争と中国や朝鮮半島国家と護憲派への批判3点セットを
宮台真司氏は「権威主義」から明白だとおっしゃっています。

不勉強な私には俄かに結びつかなかったのですが
「右の頑張り」記事で述べる、頑張りどころとは見事に一致しています。

設問が「中国人・韓国人は日本を悪く言い過ぎる」になっているのは
熟慮の結果あえてあいまいにしてあると思うのですが、
国家体制や政権への批判と民族への嫌悪を一体にして批判しているように感じます。

全ての戦争は聖戦として開始されてきましたが、
戦争は生活を破壊し殺し殺されることであることの認知は進んで来たと思っていました。

しかし最近「戦争すべては悪いわけではなく、良い戦争と悪い戦争があるんですよ」
との言説を聞いて、本当に怖さを感じました。

権威主義による3点セットの目的が透けて見えます。

正しいことを言っても動員合戦には勝てない

神保:規制は弱者側は緩和されて格差が広がるのに、
とめる力がメディア、言論界、野党に働かなかった。

宮台:釣りに弱い、抵抗勢力という言葉、改革勢力。

既得権益守るために規制に固執する人間が釣られる。

政党はよく考えて、向こうが分かり易い釣に対応するには、
釣ってるだけ、と正しいことを言っても動員合戦には勝てない。

橋本健二氏の著書「新・日本の階級社会」が、
朝日新聞への広告掲載後では売れず、日本経済新聞に広告を出した途端に
アマゾン全体ランキングベストテン入りしたことを驚かれていました。

特に、丸の内・八重洲で売れたとのことですが
私は「物を売るため、マーケティング用」にビジネスマンが購入したのは
今回の研究が裏付けていると思いました。

人文書としてのリベラル層の購入は専門家など僅かで、
新自由主義の勝ち組はさらに勝つために、学びを怠っていない証拠だと思います。

50%も存在する「リベラルを自認する人たち」


自民党が選挙には勝っても得票数は減らしていることは
20年以上前から指摘されていることです。

だからこそ必死になりふり構わず頑張って来たのだと思います。

50パーセントのリベラルを味方にできないのはリベラル側の怠慢だと思います。

2020年の米大統領選でもマイケルムーア監督が危機感もって必死に呼びかけていました。

辛勝したものの、4年前同様予想外のトランプ健闘は
民主党にトランプ陣営のような必死さがなかったことはムーア監督の指摘通りだと思いました。

どちらの国でも「理」があるほうがそれゆえに油断してはいないでしょうか。

何をいつ報道するか、パワーとずれていないか


ビデオニュースドットコムは、
大阪都構想住民投票の二日前に米大統領選について特集していました。

米大統領選は世界中にとって最大の重要事項ですが、
私たちが影響力を行使できない事柄です。

僅差で否決されましたがもし、維新の会が勝っていたら
その後の日本の政治にどれだけの影響を及ぼすことになったでしょうか。

安倍氏の再登板の話しなど無かったころに
橋下徹氏と安倍晋三氏が握手をしている画像が思い出されます。

そしてあっという間に第二次安倍政権誕生したという印象があるので、
底知れない怖さを感じてしまいます。

映画「新聞記者」は優れた作品だがおじさん向け


1993年のテレ朝椿局長発言(マスコミは第4の権力)から
2001年の『ETV2001』のシリーズ「戦争をどう裁くか」への圧力問題など
左右の長い闘いの歴史がある中で、
映画「新聞記者」では内閣調査室勤務の主人公の上司が
「国(政権・内閣)を守るたたかいなんだ」という台詞が出てきます。

この作品が2020年3月6日に第43回「日本アカデミー賞」で
「最優秀作品賞」「主演男優賞」「主演女優賞」の3冠を受賞し、
左の賛、右の否が入り乱れましたが、私は新聞社の輪転機が回るさまを
「おじさん向け描写にびっくり」との評に思わず頷いてしまいました。

タイトルが「新聞記者」なのにヤフーニュースで世に流布される描き方は無理だったとは思います。

ただ「スクープの象徴輪転機」は新聞の速報媒体としてのオワコンぶりを示していました。

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