男の育休義務化は是か非か…現実味を帯びて来た今考えよう
2019年6月に男性の育休(付与)「義務化」を目指して自民議連が発足し
首相に「提言」しました。
2020年7月には少子化対策を進めるためには、男性に育児休業取得を義務づけてはどうか――。
政府内の有識者会議が、そんな提言を打ち出しました。
家事や育児が女性に偏る現状からの意識改革を促すための
象徴的な取り組み例として掲げたようです。
ご自分の夫の仕事の仕方や家事・育児スキルを見ていると
現実的に育児休業を取るなんて無理
と思わざるを得ない方もまだ、多いことでしょう。
育休取得中に役に立たないどころか
邪魔になる夫を「取るだけ育休」と揶揄する報道もありました。
しかし、子どもが産まれれば夫婦のどちらかが
保育園のお迎えにはいかなければなりません。
女性の場合は妊娠前は同じように働いていても
子どもを持てば残業したくても帰らざるを得ませんが
男性は無理と決め付けていないでしょうか。
最初にこのような関係ができてしまうと家事・育児の協力が望めず
全て妻が背負うことになってしまいます。
定時に退社することが困難な場合
いっそ思い切って夫に育児休業をとってもらうことをお勧めします。
勝間和代さんが「男の育休はボウリングの一番ピン」と称したように
様々な問題が一掃される可能性が大きいのです。
このサイトが男の育休効果について少しずつでも
理解を深めていただく一助になれば幸いです。
男の育休取得が進まない理由と解決方法…まずは目の前の夫を変える
男性が育児休業をとるということは簡単なことではありません。
男性も3割以上が取得したいとのデータもありますが
いざとなると尻込みするので妻の側の粘り強い働きかけが必要です。
昇進に響くとか、自分が抜けたら仕事が回っていかないと男性は考えがちです。
しかし、女性の場合は否応なしに産前産後休暇で16週間休まざるを得ません。
同僚に申し訳ないと思いつつ、最大限の努力をして休むのです。
女性にできることが男性にできないはずはありません。
仕事をするということは男性と同じように女性も
自分が職場になくてはならない存在だと思ったり
そうありたいとがんばっています。
一方で、自分がいなくても仕事・会社というものは
成り立つものだという冷静な判断も必要です。
自分が休暇をとることにより仕事の仕方の見直しが進むように
会社や同僚にとってもチャンスだと考えましょう。
育児休業法は男性であろうとも請求したら与えなければならないと定め
そのことによる不利益扱いを禁止しています。
働き方改革により、フレックスタイム制や在宅ワークが増えつつあっても
夫婦が共に、あるいはどちらかが交代制勤務という場合もあるでしょう。
この場合は子育てと仕事の両立について
よく話し合うことが大切なことは言うまでもありませんが
夫が育児休業を経験するとその後の時間のやりくりがスムーズになります。
数カ月以上仕事から離れることには不安もあるでしょう。
でも大丈夫です。
実力と柔軟な思考を持ち、人間的な魅力のある人はいつでも求められ評価されます。
夫が育児休業をすることの具体的なメリットは計り知れない
第一に夢のような生活が待っています。
仕事を持つ女性なら一度は思ってみたことがあるのではないでしょうか。
家事をしてくれる「奥さん」が欲しいと。
「私の家政婦ナギサさん」のヒットもうなずけます。
夫の育児休業中は帰れば夕飯ができており、洗濯をする必要もありません。
夕食の後、可愛いわが子と楽しくお風呂に入り
入浴後の子どものケアは夫にまかせ
一人でゆっくりバスタイムを満喫することもできます。
(この夢のような生活が夫は日常⁉)
ただし、子どもを寝かせたあとは
夫の家事・育児の愚痴をきいてあげなければいけません。
これをしないと夫の不満が爆発しますし
育児休業の効果も半減してしまいます。
夫のタイプ別 育児休業の勧め方
家事・育児は妻任せ、女性の役割りという価値観は危険
ハードルは高いけれども、是非実現させて欲しいカップルです。
あなたのこれからの人生の満足度、夫への愛情、
ワーク・ライフ・バランスすべてにとって著しい変化が期待できます。
なぜ「危険」かというと理由は2つあります。
1つは、妻は不死身ではないからです。
2つめは、やがて訪れる親の介護に直面したときです。
介護は日常の家事と切り離せません。
男性のほうが追い詰められる割合が大きいのです。
まず、家事への参加度合い見える化しましょう。
家事分担表のテンプレートやアプリまであります。
いかにあなたが忙しいかを理解してもらうには
「名もなき家事」(書籍もあります)の存在を知らせましょう。
家事分担は妻がやり方を押し付けず、夫のやり方を尊重することが重要です。
家事にはそれぞれの細かい段取りなどスタイルがありますが
夫に「教える」という態度だといつまでも「手伝い」気分から抜け出せません。
また、自分の友人知人のだんな様はこんなことをしているということを持ち出すのは
プライドを傷つけるので逆効果です。
お隣の話しはあなたと夫の家庭に必ずしもあてはまりません。
条件も二人の性格も異なるからです。
あくまでも二人で築きあげていきましょう。
男の沽券を大事にするタイプ
家事・育児の分担はそこそこうまくいっているので
次の段階として夫に育児休業を「とらせ」たい
という状況のカップルの場合です。
この「とらせる」という意識が妻の側にあってはいけません。
へりくだる必要はないと思いますが、
いまの世の中ではまだまだ女性の育児休業より
男性の育児休業のハードルが高いのは事実なので
ここは「とってもらう」態度も必要です。
家の中での家事・育児は協力するけれど
そのことを世間にオープンすることに
抵抗を感じるタイプもまだいます。
なんちゃってイクメンの逆ですね。
我が夫の場合は
「妻の尻に敷かれているのではなく
俺は妻の尻を下から持ち上げて支えてやっている」
というプライドがあったようです。
また、本当の戦う男は自立していなければならない
妻に頼っているようでは情けないという考え方もあります。
仕事ができることに誇りをもっているタイプ
仕事ができて、自分の有用性は職場でこそ発揮すべきだ
と考える男性も多いでしょう。
しかし、ワーママの間では
家事・育児をする男ほど仕事ができる
というのは常識です。
頭の切り替えが上手で
段取りが必要なことは
仕事も家事・育児も同じですから。
我が夫は仕事の気分転換に家事は適していると言っています。
もともと「ワーク・ライフバランス」という考え方は
欧米企業のビジネス戦略として唱えられたものです。
仕事と生活の調和が取れてこそ生産性はあがるという考え方です。
ウィン・ウィン・ウィンな関係(企業・夫・妻)な関係を目指しましょう。
投資家で京大客員准教授だった瀧本哲史氏(2019年8月没)を
偲ぶ会で妻の茜さんの言葉を贈りたいと思います。
子育てでは、オムツ替えなどをほとんどしないので注意をしたところ、「僕にはバリューがないからケイパビリティの高い君がやるべきだ」と真顔で返された。茜さんが「私が幸福を感じれば私のバリューも上がるので、私の幸福のためにやるべきでは?」と反論すると、「なるほど…」と納得して不器用にオムツを替え始めたという夫婦のやりとりを披露し、会場は笑いに包まれた。
完璧な家事・育児を目指さずに二人で一人前でよいとする柔軟
あえてタイプに分けてみましたが
我が夫は一人暮らしの経験もなく、かっこつけ屋で
仕事は天職というひとですからすべてのタイプにあてはまります。
参考になりそうなことがあれば幸いです。
いずれのタイプの場合も妻の理想を押し付けてはいけません。
少しずつ前向きに考え実践することです。
条件が揃ってからでは何もできません。
育児はお互いにとって初めてのこと、一緒に学んでいきましょう。
完璧な家事・育児を目指さずに二人で一人前でよいとする柔軟さが大切です。