環境破壊を止めるためには、多少コストや手間がかかっても
「エコ」には企業も個人も賛成という時代になりました。
地球にやさしいことと同時に、人間破壊ともいうべき、
過労死、心の病の増加、家族の崩壊が進むなか、
人にやさしいワークライフバランスこそ「エコ」を凌ぐほどのコンセンサスになって欲しいです。
今現在の自分と家族や同僚・後輩などの幸せを大切にしましょう。
理想はわかるが、現実には無理という方もいると思いますが、
貴方の「マインドセット」が第一歩です。
メリットを理解していただければ、方法や工夫の仕方は他記事でたくさんご紹介しています。
家族や企業を元気に幸せにするワークライフバランスのメリットを挙げてみます。
ワークライフバランスは家族を将来にわたって幸せにする
仕事と生活の調和がとれて家族が有効に機能すれば、
第一子出産後の若いカップル、熟年ともに離婚が減少するだろうことは、
愛情曲線のところで述べたとおりです。
離婚に至らずとも、両親の仲が良いことは子どもたちにとっては何より幸せなことです。
さらに、両親が子育てに関わることが子どもの健やかな成長に有益なことも立証されています。
母子のあいだだけがいびつに密着したり、父親の居場所がない家庭などは
家族といっても形だけのもので、寂しいものではないでしょうか。
晩婚化や非婚化は生き方の多様性の現れですから
少子化と結びつけるべきではないと考えます。
少子化は「産みたい人が産める社会」のために様々な政策により対策すべきです。
一方で、私たちアラカン世代の心配事の1つにわが子の結婚があるのも事実です。
親というものは極単純に、ただ、わが子に「幸せな家庭を築いてほしい」と思います。
子どもにとっては大きなお世話どころか、嫌な気持ちになるでしょうが
親もかつては親に腹立ったりしたにも関わらず、親になるとそう思ってしまうものです。
そのためには夫婦って、結婚て良いものだなと子どもにお手本をみせないと。
企業を活性化させるワークライフバランス
「競争力強化に欠かせない」
職場に憲法なしと言われたのは過去のこと、コンプライアンスが重視され、
労働法で定められた以上の施策と風土を誇る会社が良い人材を獲得できる時代です。
ワーク・ライフ・バランスは、偏った仕事人間を生活感覚に優れた人財❣に変化させます。
ウーマノエコノミスクと言われるように
企業では女性社員の活用によって商品購入の際に決定権を持つ女性の目線を
商品企画や品揃えに活かして業績をあげています。
男性社員が家事・育児を担うことから
新しい視点や視野を獲得することを期待し実際に成果をあげています。
それでも2020年から突然襲ってきた社会、経済、雇用における激変の中
ワーク・ライフ・バランスなどと悠長なことを言っているときではないと
お思いの方も少なからずいらっしゃることでしょう。
政府をあげてワークライフバランスを推進しだしたのは2006年でした。
2008年の100年に一度の不況と言われたリーマンショックのときに
同じような声が聞こえてきましたが
昨年からの事態にいち早く対応できた企業はどんな企業だったでしょうか。
職種によるとはいえ、いち早く業態転換や変化し対応し業績を伸ばした企業もあります。
たとえばサイボウズはワークライフバランスの先進企業でした。
下記の記事の中でご紹介しています。
ワークライフバランスを図ることは従業員のための福利厚生策では、ありません。
企業と従業員のウィン-ウィン関係をめざす経営戦略なのです。
内閣府経済総合研究所の調査では、
ワーク・ライフ・バランス施策実施企業のほうがより生産性向上の傾向があり、
従業員のモチベーションや定着率を高め、
女性の出産後継続就業を促す傾向があることが明らかになっています。
ワーク・ライフ・バランス施策を実施するさいには、
あわせて管理職による業務分担の柔軟な見直しや、
仕事量、仕事の進め方の見直しなどを行うことが
生産性向上に結びつく必須条件だということも示唆されています。
2013年2月、東京証券取引所と経済産業省は
女性が働きやすい職場づくりを進めている17社を東証1部上場企業から選び、
「なでしこ銘柄」として発表しました。
選ばれたのは当時、女性の管理職比率が約4%と高いアサヒグループホールディングス、
社内に託児所がある花王、
女性社員による検討チームが職場づくりを人事部長に提言している住友金属鉱山などです。
CSR報告書などをもとに女性の活躍度を算出し、
株主資本利益率(ROE)などの経営成績も考慮して決めました。
今後、「なでしこ銘柄」入りを競い合うことになると言われましたが
その後の株価の上昇からも優越性が証明されています。
「優秀な人材採用・確保に欠かせない」
「考えよう、私たちが40年間働き続けたい企業とは」のテーマで、
関西大学、大手前大学、京都女子大学の合同ゼミ発表会が開かれたとき
「40年」には就職はゴールではなく人生の始まりとのメッセージが込められていました。
学生たちは「子どもを産んでも働きたい」と言い、
働き続けることのできる会社を探しました。
結果として高島屋、ダイキン工業、カゴメ、未来工業など、
当時必ずしも学生の人気が上位ではなかった企業が選ばれたと報道されましたが、
今や人気企業として名が知れ渡っています。
「マルチタスクが要求される家事・育児に積極的に関わっている男性は仕事ができる」
という定評に異論はないと思いますが、
同様に出産後に職場復帰した女性社員も、
子どもの保育園への迎えに間に合うように必死で仕事をするなかで、
業務効率が上がったという姿は珍しくありません。
決して自分が計画したようには進まない育児をしながら家事をする難しさを経験すると、
仕事をするうえで臨機応変になり、危機管理もでき、並行処理が得意になるなど、
総合的な能力が身につくのでしょう、これは男女を問わず必ず見られる傾向です。
経営が厳しいときこそ、良い人材が必要です。
良い人材とは、上司の言いなりに長時間労働をする人ではなく、
新しい気づきや発想の転換、創意工夫により生産性や利益を上げられる「人財」です。
では、新しい発想はどこから生まれるのでしょうか。
広い視野や豊かな視点は休養やゆとりがあってこそ生まれるものです。
生活を大切にすることは、仕事だけ人間からの脱却です。
自分自身は、父であり(母であり)老親から見れば子どもであることに気づきます。
生活者とは消費者です。
普段使われる「売り場」という言葉は、どのように売るかの企業視点ですが、
「買い場」という消費者目線は新しい気づきのヒントを与えてくれるでしょう。
地域社会にあってはお隣さん、近所のおじさん、おばさんでもあり、
防犯や防災にもより深い関心を持つことに成ります。
ワーク・ライフ・バランスを通して獲得できることは、はかり知れないのです。
多様性が尊重される時代にあって、ワークライフバランスは一人ダイバーシティとなりえます。